今回は、半蔵門線桜新町駅を降りてすぐにある「麺処さとう 桜新町店」を訪れた。
13時ごろに到着すると3人並んでいた。3連休の中日且つ唯一の晴れの日ということで、長時間待ちを覚悟していたが、杞憂に終わって何よりである。
案内POPに従って店内で食券を買い、外の丸椅子で待機する。この日は肌寒さが残る空気ではあったが、突き抜けるような青空で気持ちがよい。
ぼーっとしている間に順番が回ってきた。5分と待たずに店内のカウンターに着くことができた。
店内の内装は暗色の木目調で統一されており、落ち着きのある雰囲気となっている。
カウンター席は肘が少々触れ合いそうな手狭な店内だが、通りに面した窓から差す光が店内を明るく照らし、開放感を感じさせる。
更に5分ほど待つと、今回注文したあっさり醤油味玉ラーメンがやってきた。
透き通った金色のスープは、出汁の旨みと醤油がよく溶け合っている。飽きの来ない程よい淡白さで、〆のご飯を茶漬けとしいただく情景がこともなげに浮かんできた。
麺は細麺で、スープの洗礼を受けることで薄いベールを美しく表面に纏っている。
程よい弾力を持ちながら歯切れも良く、啜ってよし噛んでよしの食べ応えであった。
滑り止めの溝が掘られた心遣い溢れる箸の運びも相まって、気をつけなければ一瞬で器が空いてしまう。
煮卵は私好みであった。白身に触れた黄身が砂浜のように、琥珀の海を囲んでいる。黄金を湛えたその大海は、醤油の芳醇さを色濃く放っているが、それでいてスープの清廉さを邪魔せず、寧ろ強調する。さながら王に側仕える白騎士のようである。
添えられたほうれん草は、適度なシャキシャキさと苦味を放ち、澄んだ森林を駆け抜ける草木の香りを思わせる。清廉なスープの伴侶として、これ以上のものはない。
四角く形作られたチャーシューは、脂身が少なくスープの味を掻き乱さない謙虚さに溢れていた。
あっさりしながらも飽きのこないスープを基調に、一癖もった具材たちがバランスよくまとまった一杯であった。
あっさり系だけでなくこってり系やつけ麺スタイルも提供しているため、何度も足を運び味わい尽くしたいものである。
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